2020年8月11日よりファイナルファンタジー14の無料体験・フリートライアルの内容が大きく変わります。
それはファイナルファンタジー14の初の拡張ディスク「蒼天のイシュガルド」
まで遊べるようになるのです(๑•̀ㅂ•́)و✧
これはもうゲームソフト2本分のボリュームがあると言っても
過言ではありません。
そこで本日はこの「蒼天のイシュガルド」の紹介を兼ねて、
イシュガルドから学べる宗教と政治
という内容で、ちょっと真面目なテーマで話をしたいと思います。
1000年にも渡る人とドラゴン族との争い
竜詩戦争…それはイシュガルドで1000年にも渡る人とドラゴン族の戦争
ファイナルファンタジー14の初の拡張ディスク「蒼天のイシュガルド」での
メインテーマでもあります。
この竜詩戦争は
イシュガルドという国の歴史を紐解き、人と竜の歴史を紐解く
重厚なストーリーが魅力です。
私はこの「蒼天のイシュガルド」でファイナルファンタジー14が大好きになりました。
しかし、このイシュガルドという国はかなり謎に包まれています。
次に普段プレイしているだけではよく分からない、
イシュガルドの建国の経緯をお話します。
イシュガルドという宗教都市国家の形成の経緯
千年の昔、エレゼン族の王トールダンが、夢によって戦神「ハルオーネ」から啓示を受けたことで、すべてが始まった。神によって約束された「神意の地」がアバラシアの山中にあると知った王は、一族の者たちを引き連れて移住することを決意。黒衣森を抜けて、クルザスの地へと入った。だが、一行が深い谷間に差し掛かったところで、突如として邪竜「ニーズヘッグ」が現れ、襲われることになる。
(中略)かくして、大きな犠牲を払いながらも邪竜の脅威を逃れた人々は、神意の地に山の都「イシュガルド」を築いた。
Encyclopaedia Eorzea ~The World of FINAL FANTASY XIV~ イシュガルドの項目 P149より
こうして都市国家が成立していきました。その後人々は戦神「ハルオーネ」のため教会を建て、やがて「イシュガルド正教会」が設立されていきます。
そしてイシュガルド正教会が政治の中枢となり、教皇=君主の宗教都市国家となっていきます。
もちろん、この成立過程にも色々とあるのですが、ネタバレになりかねませんので割愛させていただきます。
さて、ここで疑問に思われる方もいると思います。
なぜ教皇=君主になることができたのか。
次の話は、現実世界でのローマ教皇がどのように権力を握っていったか、
イシュガルドとの共通点を見ていきたいと思います。
現実でのウルトラモンタニズムの成立過程
意訳するとウルトラモンタニズムは「教皇至上主義」とも訳されます。
教皇が政治上も絶対的権威を有するという近代の主張もこの語で表される場合も多いです。
現実世界での教皇とは、キリスト教のローマ教皇のことです。
現実世界の歴史で、教皇が権威を最も持った大きな要因としては
十字軍(1096年~1492年)
が挙げられます。
- キリスト教VSイスラム教の戦争
- イスラム教のヨーロッパ進出に対し、危機感を抱いていたヨーロッパの国々が参加
- 大義名分はキリスト教の聖地「エルサレム」を取り戻すこと
つまり、宗教が原因である宗教戦争であると言えます。
この戦争は約400年間続きます。
この戦争の過程でローマ教皇は権力を強めていくのです。
特に第1回十字軍で、聖地「エルサレム」を取り戻すことに成功したことにより、
ローマ教皇の権力は向上します。
さらに、第2回・第3回と十字軍の成功を重ねる中で、
ローマ教皇の権威は絶対的なものになっていきます。
特に第4回十字軍を起こしたローマ教皇インノケンティウス3世は次の言葉を残しています。
「教皇は太陽、皇帝は月」
この言葉どおり、教皇は多くの皇帝を破門し、教皇の絶対性を確立させていきます。
※当時はローマ教皇から破門されると、人権をなくします。キリスト教徒であらずは、人にあらずという状態。
ではイシュガルドはどうだったのでしょうか?
人間を滅ぼそうとしているドラゴン族はすぐそこにいる。
建国当初のイシュガルドは死と隣り合わせの生活だったのは言うまでもありません。
そこで頼みの綱は「戦神ハルオーネ」への信仰であり、
自分たちを守ってくれる神殿騎士たちだったのでしょう。
十字軍と同じように、イシュガルドもドラゴン族との戦いの中で、
教皇の権威が確立していったことは想像に難しくありません。
教皇や神殿騎士はドラゴン族から自分たちを守ってくれる、導いてくれる者
であることは、多くのイシュガルドの民が
教皇=君主の制度を否定していない様子からも伺えます。
イシュガルドが国を維持し続けることが出来た理由
現実世界に国や王朝を1000年以上維持し続けることができた事例はあるのでしょうか。
ありません。
※日本は第二次世界大戦にGHQ・アメリカによる占領を受けているため、ここでは除外しています。
なぜなら、多くの国は他国からの侵略や、人々の反乱により滅びているからです。
1000年間もの間、
なぜイシュガルドは国を維持し続けることができたのでしょうか?
1つの要因としては、
ドラゴン族がいたからということが挙げられるでしょう。
なぜ、ドラゴン族がいることで、国を維持し続けることができたのか、
それは国を脅かす「敵」だからです。
実は、国というものは
「敵」がいることで一致団結していくものです。
それは現実世界の歴史でも、エオルゼアでも証明されています。
例えば、現実世界での話ですが、
ビスマルクはフランスを敵国とすることで、ドイツを統一しました。
エオルゼアでは、ガレマール帝国の侵攻により、ウルダハとリムサ・ロミンサとグリダニアの3国が協力関係になっています。
このように、イシュガルドで大きな内乱がなかった要因としては、ドラゴン族が敵として存在しているからということはお分かりになっていただけたと思います。
また、イシュガルドの教皇が
世襲制ではない
という点も大きなポイントでしょう。
世襲制になると、世襲を維持することが国の目的となり、
政治の柔軟性を失いがちです。
ヨーロッパであればハプスブルク家
日本であれば徳川家が代表的な世襲制国家となります。
どちらも最終的にどちらも国の形を維持し続けようとした結果、
内乱により国が変わっています。
ここでは詳しくは触れませんが、
世襲による弊害は歴史上実際にあるという点は見逃すことができません。
では、イシュガルドの教皇はどのように選ばれるのでしょうか?
死去か引退に伴い教皇位が空席になると、選教皇権を有する四大名家と高位聖職者が集まって、投票により次の教皇を選出する。
Encyclopaedia Eorzea ~The World of FINAL FANTASY XIV~ イシュガルドの項目 P150より
つまり、有力者による選挙によって選ばれるわけです。
これはこれで現実世界も似たような例があるのですが、また別の機会に…
※気になった方は神聖ローマ帝国の大空位時代を検索してみてください。
こうして、イシュガルドという宗教国家は敵がいることでまとまり続け、
世襲制でないために、国を維持し続けることができたと予測できます。
イシュガルドにおける光の戦士
イシュガルドの人々は、ドラゴン族との日々の戦いの中で、
宗教に救いを見出したことは先程も述べましたが想像に難しくありません。
時に宗教は真実から目を曇らせます。
ぜひその点からも「蒼天のイシュガルド」をプレイしてみて欲しいところなのですが、
イシュガルドの特異な点は、
この宗教性を維持し続けたことだと私は思っています。
どんな宗教でも、形骸化することは否めません。
しかし、1000年もの間ドラゴン族と戦い続ける中、祈りは人々とを救い続けます。
しかし、「光の戦士」ことプレイヤーがイシュガルドに到達したことで、
イシュガルドの歴史は大きく変わります。
詳しくは述べませんが、イシュガルドの教皇トールダン7世の
竜詩戦争を終わらせるという夢
に共感する部分は大いにあります。
そして、トルーダン7世が取った手法は褒められたものではありませんでしたが、
イシュガルドという
宗教都市国家の形を維持するためには必要なこと
だったのだと、私は思っています。
未プレイの人は何を言っているか分からないと思いますが、
本当に「蒼天のイシュガルド」は考えさせらることが多く、
最高のゲーム体験だったと今でも思っています。
是非まだ未プレイの人は2020年8月11日より
「蒼天イシュガルド」まで無料体験・フリートライアルの対象になります。
これを期にファイナルファンタジー14に興味を持っていただければ幸いです。
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